- 生物資源工学研究所
植物が鉄を感じとるしくみを解明
2025年6月11日
生物資源工学研究所の小林高範教授、新川はるか特別研究員、生産科学科(卒業生)の室田明星さん、同?上嶋彩音さん、西澤直子前学長(現?本学参与)の研究グループは、イネが、タンパク質HRZを介して体内の鉄の量を感知する分子メカニズムを明らかにしました。本研究は国際学術誌 The Plant Journal にオンライン出版されました。
鉄は全ての生物に必須な栄養素です。植物は鉄を土壌中から過不足なく吸収して利用するために、体内の鉄の量を感じとり、鉄不足の時に鉄の吸収と体内輸送を担う遺伝子を働かせます。小林教授らは以前、イネが鉄を感じ取るセンサータンパク質HRZを発見しました。今回の研究では、このHRZが、複数の部品(ドメイン)を使って鉄?亜鉛と結合すること、体内に鉄が十分あると鉄との結合が多くなり安定化、鉄が欠乏すると亜鉛との結合が多くなって不安定化することで、体内の鉄の量を感じとっていることを明らかにしました(図)。また、HRZ遺伝子のゲノム編集により、玄米に鉄を多く蓄積し、鉄不足の環境でも良く育つイネを創製しました。

図1
研究者情報