- 環境科学科
羽咋市から志賀町にかけての砂浜は、イカリモンハンミョウの生息地です。幼虫はこの砂浜に巣穴を作り越冬します。冬期高波によって砂浜は大きくかく乱されるので、幼虫が生き抜くには、冬を迎える前に巣穴を十分に深く掘っておくことが必要です。果たして幼虫はどこまで掘り下げるのでしょうか。本研究では、地下水位の異なる条件下で幼虫を飼育し、巣穴深さを調べました。その結果、幼虫は巣穴を掘り下げていく中で、地下水面の約10cm上に達すると、そこで掘るのを止めることがわかりました。これは、冬前の地下水位が越冬時の巣穴深さを決める重要な要因であることを示しています。さらに、温暖化による海面上昇で砂浜の地下水位も上がることを踏まえると、将来的に、幼虫は巣穴を深く掘りにくくなり高波にさらわれるリスクが高まると考えられます。砂丘側に移動できればリスクを減らせるかもしれませんが、そこには人々の生活を守る防潮堤が設置されています。砂浜に暮らす生きものたちを守るためには、海岸構造物のあり方を見直すことが大切です。
これらの研究成果は土木学会論文集に掲載されました。
山本日和里 百瀬年彦 上田哲行: 砂浜の地下水位が絶滅危惧種イカリモンハンミョウ幼虫の巣穴深さに及ぼす影響 (2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17078)
生息地での調査活動
イカリモンハンミョウ生息地(右のコンクリート構造物が防潮堤)
研究者情報