環境科学科
里山里海創生系

人と自然が共生し、安全で活力と魅力にあふれる地域社会を形成するため、里山里海創生に関わる環境情報の収集と解析、生態系を基盤とした防災?地域活性化、地域再生のための計画理論?実践手法などの教育?研究を行っています。
流域環境学分野
流域内で発生する様々な環境問題や自然災害を解決するため、リモートセンシング技術や地理情報システムを活用し、森林から里地、里海までの土地とそこに生活する人や生物との生態的なつながりを明らかにし、自然と共生した安全な流域システムづくりについて研究を行います。
地域計画学分野
人口減少社会における都市農村関係の是正と改善、持続可能な環境利用と保全の責任、地域再生の論理と政策形成になどに関する諸問題を対象とし、実践的なアプローチから地域環境問題の解決、ビジョンの策定、政策提言に資する研究を行います。
緑地環境学分野
自然生態系の保全?修復、景観保全と自然資源の接続的な管理、都市における緑の創出と造園?公園管理および自然災害に対する生態系を基盤とした防災?減災などについて研究を行います。
研究クローズアップ
良好な農村社会?自然環境を維持するための地域のあり方を科学する(里山里海創生系 地域計画学分野)

山下 良平 准教授
自然環境を守り,同時に自然環境から恩恵を受けて生活することで社会を維持しているのが人間です。農村社会を見てもかつてのような農業一辺倒の生活ではなく,近年では多様な世代?立場の人達が生活する中で相互に協力し,時に意見対立を繰り返しながら維持されています。人間社会も環境もお互いそれだけでは持続可能なものとはなり得ません。
もし地域住民や都市住民らが好き勝手に自然環境を消費し,負担を伴う管理を疎かにしても持続可能な社会や環境が保たれるならば何も問題はありません。しかし,残念ながらそのような状況では深刻な過疎問題や環境破壊の問題は解決しません。今私たちの身近にある農村地域に目を向けると,過疎化,耕作放棄地の増大,農産物市場の国際化,里山里海の担い手不足,生物多様性の保全など,多くの課題が目にとまります。それらを解決し,美しく豊かな農村を守っていくためには,地域の「計画」や「ルール(仕組み)」が重要となります。
私が属する地域計画学研究室は,人間活動と環境?農業,さらには都市と農村の関係に注目しながら地域社会の課題を捉えて,根拠に裏付けられた計画案や解決策を導き出すための調査研究を行っています。教科書的な基礎知識の習得にとどまらず,地域社会が直面する課題やその原因を正確に調べて,自身なりの考察が適切であるかを現場で確認するという「理論と現場の往復」を心がけています。
農村社会や自然環境の将来像を考え,美しい農村を守るための問題解決や地域活性化について,ぜひ一緒に取り組みましょう!